コラム

2006/10/11

偉大なF1帝王の引退(水・KI)


▼自動車レースの最高峰F1で7度のワールドチャンピオンに輝いたミハエル・シューマッハーがついに引退を決めた。近年、若手選手の台頭やマシンの不振なども重なって、既にシーズン序盤から限界説が囁かれていた。個人的には寂しい。ただ、彼の偉業である7度のタイトル獲得は当分、破られることはないと思う

▼シューマッハーは1969年、ドイツに生まれる。4歳でカートレースを開始し、その後はめきめきと才能を発揮して大手自動車会社のスポンサーを受けることとなる。F1には22歳の若さでデビュー。当時の彼は、あまりの速さとその無表情ぶりからサイボーグと呼ばれたこともあった。

▼しかしそんな彼もたった1度、人目をはばからずに泣いたことがある。それは今は亡き天才ドライバー、アイルトン・セナの持つ通算41勝に並んだ時だ。シューマッハーは、セナをアマチュア時代からのアイドルだったと称している。また、新人の時は危ない運転を注意されたことも。レース後に記者から質問に、様々な思いが頭の中をよぎって感情を抑えることができなくなった

▼シューマッハーの引退については、まだ早すぎるとの声も一部で聞かれる。確かに40歳を目前にしたスポーツ選手が今なお、第一線で活躍していることは稀だ。またトップのまま引退したいとも述べている。引退を決意したのは、7月のアメリカグランプリとのこと。しかしそのレースで彼は、勝利を手にしている

▼トップクラスのアスリートともなると、本人にしか分からない限界が見えてくるのかもしれない。今後は、若いドライバーがレース界を盛り上げてくれると期待している。(水・KI)

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