コラム

2006/11/07

マイクロ・クジットの活用(水・KM)


▼フランツ・カフカ賞を受賞したことで、村上春樹氏の受賞が確実視されていたノーベル文学賞。選ばれたのは、イスタンブール生まれの作家オルハン・パムク氏。期待が大きかっただけに、村上春樹ファンとしては少々残念な気もするが、西欧とイスラムの摩擦という現代の文化問題に真正面から向き合っているーと評価されているパムク氏

▼言うまでもなくノーベル賞はアルフレッド・ノーベルが、自ら発明したダイナマイトで得た富に関して「人類に貢献した人に与えたい」と遺言したことにより設けられた。毎年、物理学・化学・生理学医学・文学・平和事業・経済学の6分野に貢献した人に贈られている

▼今回ノーベル平和賞を受賞したのはバングラディッシュ人のムハマド・ユヌス氏。「貧困からの脱却なくして恒久的な平和は実現しない」と述べ、貧困撲滅に努めた。担保となる土地も資産もない貧しい人々を対象に、100ドル程度の少額を無担保で融資する画期的な仕組み「マイクロ・クレジット」を考案し事業化

▼当初は無担保への懸念もあったが、資金はほぼ完全に回収されているとともに、2004年現在で利用者は9000万人を越え、毎年利用者の5%が貧困から脱却しているという

▼現在の日本、いざなぎ景気以来の好景気と言われている裏で広がる貧困格差。苦し紛れに手を出す消費者金融によりさらにやせ細る金銭的体力。マイクロ・クレジットは、何も発展途上国の貧困格差をなくすためのものだけではない。好景気と言われる裏で格差の広がっている今こそ、日本でこのシステムを上手に導入し、格差の解消に努めるべきなのでは。(水・KM)

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