コラム

2006/11/22

自分を満たすモノ(本・JI)


▼モノはシンプルな定番商品が一番である。人々に永く愛されているベストセラー商品は、誰にとっても使いやすく、また応用が利く。デザイン性はなくても、それは所有者を飽きさせないことにつながる。いわゆる「普通」は、地味だが隠れた評価は高いものだ

▼実は、来年の手帳を購入したのである。毎年この時期に手帳の話を書いている。昨年購入した、現在の手帳は特殊な様式。これが自分にとって使い勝手が悪く、こうしたデザイン性の高い手帳は二度と買うまいと心に決め、今年はスタンダードなものを選び購入した

▼手帳選びは大変な労力を要する。商品点数が多いのはもちろん、手帳選びのガイド本、手帳の使い方の本も膨大な量。これらを片っ端から拾い読みしては悩み、自分の仕事や生活と照らし合わせ、実物に触れては再考する。案内地図と資金と労力によって目的の品物を手に入れる様は、まるで宝探しそのものだ

▼思い起こせば、現在の手帳を購入した時も悩んで選んだ。買った当初は、その美しきデザインに酔い、何を書こうかと嬉々としていた。昨年のコラムには「この商品だけが自分を満たしてくれる」と書いている。「メーカーに感謝したい」とまで言い切っている。今になって「使い勝手が悪い」と文句を言うのもおかしいかもしれない

▼モノをどのように使うか。どんなモノであるかよりも、自分で工夫して、いかに使いこなすかが大切なのだろう。今回購入した手帳こそは、きっと工夫に応えてくれるはず。この手帳こそが自分を満たしてくれるに違いないと確信している。今度こそ本当に、メーカーに感謝するつもりである。(本・JI)

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