コラム

2006/11/27

ピアノ調律師の才能(長・YK)


▼先日、拙宅にある古びた日本製ピアノの調律をお願いした。妻が自分の職場(保育園)に出入りしている調律師にお願いし、強引な交渉(ソフトな恐喝)の末、破格の値段で調律してもらえることになった

▼通常は1時間半程度で調律出来るらしいのだが、当家のピアノは20年近く手を入れていなかったたため、予定より1時間ほどオーバーし一旦終了、半年後に再度調律ということになった。筆者はこれまで調律を職業とする人と話をする機会が無かったので、お茶を飲みながら絶対音感のこと、職業病のことなど話を聞かせてもらった

▼曰く「蝉やコオロギの鳴き声、車の排気音まで音符として耳に入ってくる」や「一度調律したら次の調律まで2時間以上空けないと音感が狂ってしまうので、仕事は1日2台が限界。故に通常の調律師は高収入を望めない」などなど。独特な職業ならではの話しが次から次へ

▼彼が力説したのは「調律を職業にする者にとって最も重要な才能は、持ち主に対していかに上手く説明出来るかどうか」ーだそうだ。絶対音感があるなどは、調律師として当然のことであって「調律が上手かどうかより、いかにお客さんと上手くコミュニケーションがとれるかどうかで、次回も仕事が回って来るかどうかが決まる」と笑っていた

▼建設業に目を向けても、同様のことが言えそうだ。今は最も安く入札した業者が仕事を請け負っている。しかし品確法施行以来徐々に技術力も判断基準に入ってくるようになった。今後、企業がどのような技術を持っているか、プレゼンテーションの練習も必要になってこよう。今から怠りなく準備したい。(長・YK)

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