コラム

2006/11/29

七五三の苦い思い出(前・SN)


▼最近の子どもに関するニュースは、いじめ問題など暗い話題が多い。そのような中で、皇太子ご夫妻の長女愛子さまが着袴(ちゃっこ)の儀を迎えられたとのTV報道を観た。国民の一人として、今後のご成長がますます楽しみだ

▼筆者には、小学生の2人の子どもがいるが、七五三のお参りで、苦い思い出がある。今となっては笑い話で終わるが、長女の最初の七五三の時である。2つ下の長男を同行して、家族揃って参拝。御祓いの時間がそれはそれは長く感じられた

▼数組が合同して御祓いを受けるのだが、その間じっとしていない。当時、長男は1才半くらいだった。神聖な場所において縦横無尽な動きをする。それどころか、神主さんのまねをして奇声を発する始末。親として赤面するばかりだが、善悪の区別もつかない幼児を静かにさせる手段も知らず、ただただ機嫌をとってなだめるしかない

▼すぐにあきるだろうと、楽観していたが相変わらず物まねをやめず、神主さんの後を追って楽しそうに復唱している。その光景を見ているうちに、なぜか突然、筆者に笑いが込み上げてきた。誰しも経験があるだろうが、このような厳粛な場面で、笑いを抑えるのは大変だ。必至に別のことを考えて気を紛らわすのだが、笑いの波はなかなか去ってはくれない。こらえるようとすればするほど、アリ地獄にはまっていく

▼早いものであれから10年近くが経過したが、その時の恥辱は忘れられない。とうとう筆者は我慢ができず、笑い声をあげてしまったのだ。今はただ、神前で不遜をはたらいた父親の罰が、我が子に降り注がないことを祈るのみだ。合掌。(前S・N)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら