コラム

2006/12/05

開くべき講習会とは(茨城・KM)


▼「もしもし助けて電話です/額に手を当て首後ろ/そらせば空気が入ります/次におなかに手をあてて〜」「うさぎとかめ」の替え歌である。この歌は心肺蘇生法をわかりやすく伝えようと、京都府伏見消防署醍醐分署の職員が完成させたもの

▼1番で気道確保、2番で心臓マッサージを行う。振り付けは〈助けを呼ぶ〉〈気道確保〉〈心臓マッサージ〉などに合わせて「両手を挙げて左右に振る」「首を後ろにそらせる」「両手を突き出して待ったのポーズを取り、指を絡ませる」と動かす

▼全国で消防士による普通救命講習会が開催されている。最近は小さい子供を持つ親を対象にした講習会も多い。子どもの死因のトップは「不慮の事故」。呼吸停止時間による蘇生率が4分で50%を切り、以後1分ごとに約10%ずつ下がる。救急隊の到着(全国平均約6分)までに何が出来るかで大きく明暗が分かれる

▼チャイルドシートの装着ミスによる死亡事故の増加、自動体外式除細動器(AED)の設置増加に伴い、それらのきちんとした使用方法なども講習会に盛り込まれているようだ。自分の子だけでなく、誰かが倒れていれば、自然と助けるだろう。そのためにもこのような講習会は大切だ

▼そんな大人たちの思いとは裏腹に、最近は中高生の自殺が増えている。いじめから、苦しさから逃げるために選ぶ死。子どもが辛いことから安直に死に逃避することなく「生きよう」と思うためには何が必要か。大人が、生きていることの素晴らしさを自分の姿を通して伝えることではないだろうか。その姿が子どもにとって何よりの講習会になるのでは。(茨城・KM)

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