コラム

2006/12/18

「強肉弱食」の世界も(群馬・AN)


▼レールで日本全国を縦横無尽に動き、人や物資を運ぶ電車。発車時間と到着時間が決まっており「何時に出れば着くだろう」などと考えて移動するマイカーとは違う移動手段だ

▼先日、電車に乗り、さいたま市の浦和駅まで所用で出掛けた。学生時代には毎日、乗車していたが、久々に乗った感触は最高だった。まず、自分で運転しなくてもよいことが何より気楽であり、先述した到着時間が決まっていることの安心感もある。普段、車で業務をこなしているため、取材先等の到着時間を常に考えて行動する筆者にとっては、嬉しい乗り物に思えた

▼浦和駅までの1時間半、車中ですることもなく、時間を持て余し気味でいたが、そのおかげというか何というか、様々な人間模様を観察できた。1つの雑誌を仲良く読んでいるカップル、iPodで音楽を楽しむ青年、新聞を熱心に読むビジネスマンなど、それは各様な世界だ

▼その一団の中には、平気で携帯電話を使用している大学生、また、座り込んで堂々と化粧をしている女子高生もいた。電車の中で化粧をする女性を撮影したテレビ番組は、何度か見たことはあったが、実物を見たのは初めてでとても驚いた。その一方で、若者が高齢者に席を譲っているシーンも見かけた

▼建設業界もそうだが、様々な場所で「弱肉強食」の時代に入った。中央と地方の格差や貧富の差の拡大等、二極化が進んでいるのも確かだ。しかし、若者が高齢者に席を譲ったように、弱者を助ける思いやりの心も必要だ。「弱肉強食」も時代の流れであるが、たまには反対に「強肉弱食」も見てみたいと思うのは筆者だけであろうか。(群馬・AN)

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