コラム

2006/12/20

「選べる」ことの幸せ(山梨・CT)


▼12月になると、独身の頃は「クリスマスプレゼント何にしよう」と悩んだものだが、結婚すると「お歳暮どうしようか」と随分と所帯染みた話になる。最近の傾向を聞いてみると、カタログギフトの売れ行きが好調だという。今では結婚式の引き出物の定番でもあるが、贈るのは「選べる喜び」といったところか

▼不動産広告の営業担当だった頃、打ち合わせの最中にお客さんが入ってきた。こちらも話の途中だったので、そのまま店内で待たせてもらっていると、あっさりお客さんを帰してしまった。商売熱心な社長さんらしからぬ態度に理由をきくと「年の瀬に県外ナンバーの車できて、とにかく安く、すぐ入れる部屋なんて注文付けるお客はね、たいてい夜逃げだよ」

▼現代は選択の連続だ。主婦は夕飯の献立、若者は携帯電話会社を、IT社長は株の銘柄に頭を悩ませる。では教育現場の中で虐げられている子供たちはどうか

▼先の社長さんの余談だ。「昔、家賃滞納したまま逃げられたことがあってね。備え付けのエアコンから物干しざおまで持って行かれて、腹立たしいんだけど、たくましいなとも思っておかしかったよ」

▼24日には競馬「有馬記念」が開催される。強い馬でなく愛すべき馬が出走するレースだ。競走馬に自分の人生を重ねるファンも多い。「逃げ馬」という性質の馬がいる。スタートから馬群を逃れひたすらゴールを目指す。今、現状を悲観して未来をあきらめてしまう子供たちに伝えたい。「あなたに与えられた人生は二者択一ではない」と。遠回りしても、逃げ帰ってもいい、将来には必ず楽しいことがいっぱい待っているから。(山梨・CT)

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