コラム

2007/01/09

小さな一歩の大きさ(群馬・HM)


▼例えばセミナーに出席したとする。会場に入った時、席はほとんど埋まっているが前の2列ぐらいは空いていることが多い。抵抗なく座れる人は少ないのではないだろうか。筆者もそうだ。できれば後ろの方に座りたい

▼この状況は、講演会やセミナーなどの取材に行くとよく見かける。みんな後ろから座り、前の席はガラガラ。主催者側の人が一生懸命呼びかけても無視される。10分以上遅れて到着したにもかかわらず「前は嫌だよ」と断固拒否して、新たにテーブルと席を用意させた剛の者もいた

▼筆者は、海外の生活などしたことがないから、これが日本独特のものかは分からない。しかし、どうも日本人の性格が良く出ているような気がする。目立ちなくない。大勢の中の1人がいい。もともと日本人はこういう性質が強いのだろう。「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」「出る杭は打たれる」等々。意味の違いこそあるが、性格を表すことわざも多い

▼先日、新分野に進出した建設業者の社長と話す機会があった。なかなか新事業は出足好調らしい。しかし社長は「よそで言わないで」と声をひそめる。なぜかというと「あるんだよ。ひがみ、やっかみが」という。なるほど、こういう所も芳しくない日本人らしさだろうか

▼しかし、良い言葉もある。「先んずれば人を制す」。セミナーで前に座るという事も少しは先んじる行為かもしれない。そういう小さな一歩でも積み重ねれば、大きな差になってくるはず。自分がどちらになるのかは、これからの心がけ次第だ。今年は亥年。猪突猛進というが、さて、どのような年になるのだろうか。(群馬・HM)

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