コラム

2007/01/11

農業だってきびしい(埼玉・AO)

▼先日、帰宅すると役場から一通の封書が届いていた。経済産業課の署名があり、アンケート在中と書いてある。何のことかと封を切る。出てきたのは、農業振興計画策定に関する調査票だった。なるほど、市町村合併で誕生した町だから、新たな計画を策定するのに、既存計画の踏襲ではなく、農業者の意見を盛り込むスタンスなんだなと、早速、目を通した

▼ここは、埼玉県内有数の穀倉地帯というわけでもなく、大半は、小規模な農家ばかり。アンケート項目には、これからも営農するのか、営農する上で困ったことはないか、などが並んでいる

▼小規模農家にとって、最大の悩みは、農業機械への投資だろう。主な機械を上げれば、田植え機、コンバイン、乾燥機、籾摺り機。軽自動車が買える値段から、ちょっとした普通車ならお釣りが来るほどのものもある

▼自動車なら、ほぼ毎日使うものだが、農業機械は、年に何日使うだろう。我が家では、田植え機1日、コンバイン、乾燥機、籾摺り機3日が普通である。これが一生ものなら許せるのだが、20年も使えるだろうか。これだけの設備投資をしても、自分の家で食べる分しか生産しないのだから、魚沼産コシヒカリなんて目じゃない額に

▼異業種への進出として農業経営に乗り出す企業が注目されている。普通の農家では考えられないほどの苦労と努力がなければ、成功はおぼつかない。誰だって、一番いい土地は貸してはくれない。土作りから始めるようなケースも多いようだ。さらに、お天道様まかせになりがちな仕事に苦労は絶えない。それでも、農業へ情熱を燃やす人たちがいる。その人たちに敬意を払いたい。(埼玉・AO)

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