コラム

2007/01/12

モラルと武士道精神(茨城・KK)


▼得体の知れない不安が今、日本の社会に渦巻いている。これまで予想だにしなかった少年犯罪や変質的犯罪が多発。日本人のモラルの低下には驚かざるを得ない。特にそれは世代が下がるほど顕著と指摘される

▼去る6日、7日テレビ時代劇「白虎隊」を見た。白虎隊は、戊辰戦争に際して、旧幕府勢力の中心だった会津藩が組織した15歳から17歳の武家の男子によって構成された少年部隊。官軍との戦闘による市中火災を鶴ヶ城が落城したものと誤認し、総勢20名が自刃した悲劇はあまりにも有名だ

▼永く日本人の精神の基盤には「義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義」を重んじる「武士道」があった。もとは特権階級の?武士の掟?であったが、明治になって西洋の新しい価値観が導入され始めると「日本人とは何か」が問い直され、日本人のアイデンティティとして武士道は広く日本人の普遍的道徳観となった

▼ドラマ「白虎隊」では、携帯メールとにらめっこでろくに人にあいさつもできない今どきの少年2人が、ふと訪れた白虎隊記念館で自分たちによく似た隊士の肖像画と対面。白虎隊士の血を引く彼らは140年前の激動の幕末の世界へタイムスリップ。雪深い会津の地で厳しい教育を受けた少年たちは、城と愛する家族を守るべく、誇り高く武士道を貫く。2人は「日本人の魂」を持って現代に戻って来る

▼近年の道徳観の欠如に対し、全国の地方自治体が「モラル条例」の制定に取り組み始めている。お役所まかせは恥ずべきことだ。物質的には豊かになったが、精神的に貧しくなった日本人。一人ひとりが日本人らしさを取り戻すべきだろう。(茨城・KK)

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