コラム

2007/01/22

小学生の書道に学ぶ(群馬・SN)


▼正月も明けてすでに3週間余りが過ぎた。この時期、新聞紙面には書き初めコンクール(展)の入選作が掲載されている。年代別に小学生、中学生、高校生、一般の部に区分し、それぞれ優秀作を選定。筆者は小学生の頃、書道を習っていたせいもあってか、無意識のうちにその面に目が留まる

▼特に、小学生の作品には目を引かれる。その理由を自分なりに分析すると、小学生の作品はのびのびと、生き生きとし、それを見たこちらも元気なるからだ。無論、中学生以上の作品は、技巧的に優れているだけでなく、漢字とかなが絶妙に織り混ざり、文字の種類などにも配慮されていて素晴らしい

▼それでも、個人的には小学生のストレートな「書」に胸を打たれる。小学生のびっくりするほど元気がいい字体は、その年代でなければ出せない。彼らの書道は、大きな気持ちで力強く書くという、書道の本質ではないかと思ってしまう

▼公共事業の世界では、コスト縮減が求められている。国民の血税で造るのだから当たり前の話しだ。しかし、小学生の書道のようにどの業界でも「大きな気持ち」を忘れてはいけない。勿論、安易な投資は避けなければならないが、コストばかりに気をとられ、国民の安全や快適な生活を支える公共事業の本来の目的をないがしろにしてはならない

▼筆者が見た紙面の書道展の総評で、『部門に関わらず名前が丁寧に書かれていない作品がありました。最後の一文字まで、心を込めて書くようにしましょう』と注意を受けていた。これもまた、どの業界にも通じることではないか。見逃されやすい大切な部分を、改めて認識すると言うことだろう。(前橋・SN)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら