コラム

2007/01/24

除雪に心からの感謝(長野・HK)


▼先日、台風並みに発達した低気圧が日本列島に居座る最中、長野県内を取材で車を走らせた。方角は南に向かうものの、目的地の標高は出発地点より高く、峠の先でウインドウー越しの景色は一変した

▼『一面の雪で方向感覚などが失われる』を意味する「ホワイトアウト」。人気俳優主演の映画によって筆者も知り得た言葉である。いささか大袈裟だが、まさにこんな感じかとステアリングを握っていた。降りしきる雪と地吹雪で舞う雪とで、路面も空も区別が付かない。轍(わだち)の存在さえ分からず、視界は思うにならない状態だった

▼それでもかろうじて、重機による除雪で路肩に盛り上がっている雪塊によって車道の判別ができ、緊張感に包まれたノロノロ運転を続けていった。ただ心配なのは幹線道路を離れてからだ。走り慣れた国道とは違い、初めて通る山道。さすがに舗装はされているだろうが、ガードレールはあるのか、幅員は十分なのか心配の種は尽きない

▼しかしそんな心配をよそに、未体験道路でも業者による除雪がドライバーを助けてくれる。除雪作業は地域住民の生活のための足を確保する重要な仕事。ボランティア的な意味合いもあり、早朝からの出動や住民からの苦情など、決して割りの合う仕事とは言えないという業者の声もよく聞く

▼地味で損な役回りに見えて重要な仕事は、得てして目立たないものである。それ故、一般の人が気づかないだけでほかにも数多く存在する。自身がその困難や心配事に直面した時、その大切さに触れることとなる。除雪業務に携わる建設業者への感謝の念を抱きながらの雪中行であった。(松本・HK)

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