コラム

2007/02/06

誤解多い談合報道(茨城・SI)


▼我が国の某国営テレビに「週刊こどもニュース」という番組がある。毎週土曜日午後6時10分から生放送されている、小学生など、その名のとおり子ども向けのニュース番組。その1週間に世の中で起きたニュースを地図や模型、図表を使いながら分かりやすい解説で定評がある

▼これまでに幾度となく「談合」「官製談合」など公共事業にまつわる問題や事件が取り上げられてきた。昨年末にも「どうして知事が相次いで逮捕されているのか?」をテーマに番組が放映されていた。この中で「談合」をおさらい。「2億円でできる橋などの工事について、会社同士で話し合って、今回はA社が3億円で工事を引き受けることに決める。入札の結果はそのとおりで、これだとA社が1億円もうかります」

▼この説明を聞いて「馬鹿な」と思わず叫んだ方も多いのではないか。あまりにも無知な解説。どんな大型の工事でも予定価格というものが存在し、それ以上の金額で工事を請け負うなどということはあり得ない。この番組を観た多くの子供たちは、こうしたことが全ての公共事業で実際に行われているように誤解したにちがいない

▼いわゆるマスコミは、綿密な取材をし、正確な情報を提供するのは当然の責務である。決して事実を曲げたり、机上の空論で物事を報じてはならない。世論に対する影響力を自覚し、今一度、襟を正す必要があるのではないか

▼先月、宮崎県の官製談合汚職に伴う出直し選挙が行われ、そのまんま東氏が新知事に就任した。今後、県政をどう立て直していくかその手腕が問われるところだが、マスコミもその一助となることを切に願いたい。(水戸・IS)

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