コラム

2007/02/07

正念場迎えたばんえい競馬(埼玉・SW)


▼北海道のばんえい競馬が存続されることになった。昨年、開催する4市のうち、旭川、北見、岩見沢の3市が、運営低迷による財政負担の増加との理由で撤退を表明。残る帯広に命運が託された。ソフトバンク系子会社の支援により、帯広の単独開催が決まったが、同社との契約は単年度ごと。首の皮一枚つながった状況で、あくまで1年間の「延命措置」。予断を許さない

▼体重1t前後のばん馬が480〜1000?の荷物をソリに乗せて引っ張る。レースは世界で唯一北海道だけで行われている。文化的側面も備わっており「北海道遺産」にも選定。昨年、その風景を題材にした映画「雪に願うこと」が第18回東京国際映画祭で4冠を獲得し注目を集めた

▼今年度の売上げ見込みは約143億円。ピーク時の平成3年における約340億円と比べ半分以下。累積赤字は18年度末見込みで約40億円。19年度は、起死回生を狙って新たにナイター開催を実施。すでに行われている東京・大井競馬場などでは仕事帰りの会社員やOLらで賑わっている。もちろん、平日昼間の開催より売上げが望める

▼また、1万円か副賞を用意すれば「○○くん誕生日特別」「○○ちゃん結婚記念」など記念日や思い出をタイトルに付けられる「冠レース」を行える。プレゼンターとして表彰式にも参加できる。中央競馬にはない企画

▼正念場を迎えたばんえい競馬。19年度次第で将来が決まるといっても過言ではない。再生出来るのか。それとも、歴史に幕を下ろしてしまうのか。ばん馬は時代をも引っ張ることができるのか、競馬ファンならずとも大いに注目したいところだ。(埼玉・SW)

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