コラム

2007/02/14

ブランドの魅力(茨城・KI)


▼男女を問わず、ルイ・ヴィトンというブランドはご存じだろう。創業者のルイ・ヴィトンは1821年、フランスに生まれる。荷造職人の見習いとなり、33歳の時、世界初の旅行カバン専門店を設立した。流行に敏感に対応した彼の製品は当時、たちまち人気を博し、パリの人たちに愛される。世界博覧会では、賞も受けている

▼ところで、日本人で初めてヴィトン社の製品を購入した人物をご存じだろうか。それは、江戸末期の土佐藩士だ。その藩士はパリ本店で大型トランクを購入したとのこと。このことからも歴史の古さがうかがえる。全世界の売り上げのおよそ3分の1は、日本で購入されている。つまり最大の顧客が日本人ということだ

▼ルイ・ヴィトン社の象徴であるLとV、花、星をあしらったマークは、創業者の息子ジョルジュの発案だ。日本の家紋から影響を受けたとされている。そして、この複雑な紋様は、100年以上にわたって模造品への対策にも役立っている。ちなみに、筆者はかつて、知人にバッグを贈ったものの後から偽物と分かり大恥をかいた経験がある

▼同社の妥協のない製品造りは現在でも変わらない。例えば、高い場所からバッグを落として製品としての機能を果たしているか、また紫外線を浴びせて、色あせの耐性は十分かといったテストを実施しているのだ

▼ブランドというと、高価なイメージがつきまとう。しかし、人気の秘密は単にブランド力だけにとどまらず、製品の質や独創性、飽きのこないデザインが世代を越えて支持されている点にもある。だが、売れるのには理由があるし、長く愛されるにも訳がある。(茨城・KI)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら