コラム

2007/02/15

花粉症疎開ツアー(東京・UT)


▼まもなく春本番。新しい出会いの季節として心待ちにしている方も多いが、花粉症のおかげでこの時期は憂うつという人にとっては大変な時。花粉症の症状は、体が花粉を外に出そうとするために「くしゃみ」で吹き飛ばしたり、「鼻水」「涙」で洗い流そうとしているものだという

▼厚生労働省によると、日本における花粉症の人は30〜50歳代に多く、人口のおよそ16%。年々増加傾向にある。日本の場合、花粉症の約70%がスギ花粉症だと推察されている。スギは日本特有の木のため、スギ花粉症が問題になっているのは、世界でも日本だけといってよいようだ

▼花粉といえば、北海道の上士幌町がユニークな取り組みを行っている。上士幌町にはスギ花粉がない。このため、花粉症の方が春先の大自然を満喫するには絶好の場所となっている。同町ではスギ花粉のないことが地域資源であるととらえて、観光客を呼ぼうと思い付いた

▼17年度に実施したモデルツアーでは、モニター募集10人に対し276人が応募。参加者からは「症状が緩和した」との声もあり、大好評だったようだ。これを受けて、大手旅行会社が「花粉症疎開ツアー」として商品化。今年から本格販売される運びとなった。「この時期にマスクを外せるとは思っていなかった」という声が聞こえてきそうである

▼ないことが長所という「逆転の発想」には、思わず唸らされた。この考えを仕事や日常生活に使わない手はないと思い、筆者も早速あれこれ考えを巡らせてみたものの、現在に至るまで何も浮かんでこない。ピンとくるのはいつの日か。先に花粉症にかかってしまうかもしれない。(東京・UT)

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