コラム

2007/02/21

積もらない雪に募る不安(群馬・HM)


▼先日、今シーズン初のスキーを楽しんだ。良く知っているゲレンデで、移動時間はかかるが、例年は良好な雪質が期待できるのが常だった。しかし、今年は雪がない。ニュースでは聞いていたが、改めて目の当たりにしてびっくり。アイスバーンの上に薄く雪が被さっているという程度

▼そういえば、昨年は昨年で雪が多かった。群馬県でも多くの建設業者がボランティアで除雪に活躍したのは記憶に新しい。豪雪被害が相次いだ翌年にこの「雪枯れ」現象。まさに異常気象の現れである。不安になってくる

▼この世の終わりまでの残り時間を象徴的に表す「世界終末時計」。今年は、北朝鮮の核実験、イランの核開発、そして地球温暖化等を理由に、昨年の「7分前」から2分進み「5分前」と設定された

▼この時計は、1947年にアメリカの科学誌「原子力科学者会報」の表紙に初めて掲載されたもので、1953年の「2分前」が今までで最も危機的な状況だったようだ。この時は、米ソの水爆実験が理由に挙げられている。その後を見ても、兵器開発や戦争といったものが残り時間を決める大きな要因になっていたようだ。ここに環境問題が加わったのだ

▼確かに戦争は怖い。もし核が使用されるような事があれば、一気に終末へたどり着いてしまうだろう。しかし、回避できれば、その危機も一気に去っていく。しかし環境問題は違う。短時間に解決する方法はまず考えられない。少しでもこの時計の針を戻すには、一人一人が本当に危機意識を持ち、対処することが確かな1歩である。この冬の少ない雪が、環境破壊の「警鐘」となることを期待したい。(群馬・HM)

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