コラム

2007/02/22

一緒でなければ困るもの(長野・YK)


▼大正末期、童謡詩人の金子みすゞは「みんなちがって、みんないい」と詠った。今は小学校三年生の国語教科書で使われ、この言葉は広く子ども達の間で浸透している。教職の世界では「この詩は道徳教育で使うべき」との論争もあるが、子どもたちがどう心に刻むかが大切であって、大人はその手助けをすればどちらでも良い

▼「みんなちがってみんないい」はそれぞれの人格や得意なことを尊重しましょう。走るのが速い子と遅い子など色々いて良い。「みんなが皆、同じでなければならない」ということはないーということ。企業経営のコンサルタントも講演でこの言葉を使う。会社も建築が得意、土木が得意、土木の中でも山の中の工事が得意、街の中が得意などいろいろあるはずで、それぞれが得意な分野を伸ばしていけば、苦境を乗り切れると

▼品確法施行以来、総合評価落札制度が広まっている。この入札制度で重要なポイントを占めているのが工事成績。過去に同様の工事を請負い、どのくらいの点数を取っているかが非常に重要になる。工事成績の点数が悪いと請負える工事を取り逃す場合もある

▼ここで問題となるのが、工事成績の点数をつける人。人によって評価の基準がマチマチであったりすることがある。ガードレールなど工種によっては甲乙を付けにくいものもあり、減点方式で評定してしまう人もいるようだ。また年度替わりで担当が代わったら、提出書類の追加があったりして現場代理人の残業が増えてしまったりする

▼検査員の見解は無論のこと工事成績評定の基準などは「みんな一緒でなければ困る」ものの1つである。(長野・YK)

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