コラム

2007/03/30

赤ちゃんポスト設置の意義(茨城・KM)


▼双子の兄妹による禁断の愛が描かれていることに加え、過激な描写が話題となり、累計発行部数が600万部を突破した青木琴美原作の人気少女コミック「僕は妹に恋をする」。今年1月には、嵐の松本潤を主演に迎え、映画も公開された

▼兵庫県豊岡市にも、恋をした兄妹がいた。過去形なのは、2人の恋はたった2カ月で終止符が打たれてしまったから。兄6歳、妹3歳。若すぎるが故の破局ではない。このまま兄妹が交尾を行い、妹が卵を産めば、遺伝的に問題があるヒナが生まれてしまうため、兄は捕獲され県立コウノトリの郷公園に収容された。そう、これはコウノトリの話

▼熊本市の慈恵病院では近々、「こうのとりのゆりかご」が設置される見通し。この「ゆりかご」は、通称「赤ちゃんポスト」と呼ばれる。親が育てられない赤ちゃんを、顔を合わせずに預かる窓口だ。病院の人目につかない一角に専用の部屋をつくり、保育器を置く。誰かがこっそり赤ちゃんを寝かせれば、ブザーで職員に知らされる仕組み

▼この仕組みは2000年にドイツで始まった。このような仕組みを作れば「捨て子を助長する事になる」と当初は根強い反対があった。今回、日本での設置に関しては、児童福祉法などに違反しないかどうかを厚生労働省と市が協議していたが、結果として設置を認める方針に

▼今後日本でも、倫理面からの反対や抗議は避けられないであろう。しかし、この世に生を受けたばかりの赤ちゃんが、捨てられたり、殺されたりする現実がある。そうした赤ちゃんを1人でも救えるのであれば、今回の設置はとても意義のあることだと思う。(茨城・KM)

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