コラム

2007/03/15

読者と消費期限と私(東京・HK)


▼一人暮らしを始めて早1年。連日紙面を賑わしている「消費期限」という言葉を気にしないようになってからずいぶんたった。朝は食べないことも多いし、昼はカップラーメンがほとんど。夜はコンビ二の弁当と、よくよく考えると恐ろしい食生活だ

▼不二家の期限表示不備をめぐって、洋菓子などの商品を回収するケースが相次いでいる。不二家では外部有識者による「外部から不二家を変える改革委員会」を発足。一週間に1、2回のペースで委員会を開催し、洋菓子工場の視察や製造ラインの調査、工場従業員との直接対話を実施している

▼関係者はこの問題に対して「社内での安全に対する意識と社外での意識にずれがあったのではないだろうか。どの段階から行われていたのか、全体的な解明をしなければ解決はしない。不二家の復活を願う人たちのためにも最善を尽くしたい」と話している

▼ところで10年以上前になるだろうか。食品業界に勤めていた父に連れられ、クレーム処理の現場に行ったことがある。加工品の中に異物が混入していたというのだが、作業の課程上混入する可能性はなく、嫌がらせに近いようなものだった。しかし、それにもかかわらず頭を下げ続ける父が何を見せたかったのか当時の私には分からなかったし、ただ父に対する失望だけが残ったことを覚えている

▼「読者は記事を書いている記者以上に敏感だ。手を抜いたら読者は離れていく。細心の注意を払う必要がある。」以前世話になったデスクの口癖だ。残念だが筆者は周りから再三「鈍感」と言われることがあるが、記事に関してはそうならないよう努力していきたい。(東京・HK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら