コラム

2007/04/04

犯罪の元凶は心の貧しさ(埼玉・YW)


▼格差社会の拡大が問題になり、勝ち組み負け組みが固定化し、今後ますます顕著になるだろうと言われ、恐らく誰もが否定しないだろう

▼数年前、イギリスのテレビ局がある実験をしたことを思い出した。100ドルを世界100か国の公衆トイレにおき、2日後にあるかどうかという実験だった。もちろん、東京も実験場所に入っていた。その結果、アラブ首長国連邦を除きすべての場所から100ドルは消えていた。結論として、リポーターは国民のすべてが中流層以上で金持ちの国民はネコババやケンカはしないとしていた

▼確かに金持ちは見向きもしないかもしれない。だが一般的には金持ちほど「物欲」に対する執着心が強く、「金に汚い」「がめつい」「金に細かい」などなどの単語が飛び交いがちだ。しかし究極の問題は「心」ではないだろうか

▼昨今、残念なニュースが連日テレビで流されている。鉄製の資材などが中国特需で足りなくなり、公園の金具、お寺の鐘、ひどいのは茨城県のある電気設備会社では監視カメラを設置しているにもかかわらず、真昼間に鋼鉄線が盗まれ、また、電柱に巻かれている電線まで盗まれるという有様。戦前、戦時中の物資不足でも発生しなかったような盗賊が出現し、戦争による心のすさんだ時代よりも悪いのが現代社会なのだ

▼格差社会がそうさせたとの意見もあるが、そう思いたくはない。今以上に貧しかった戦後でも多くの先輩は目が輝き、夢を持って明日を見つめていた。心は貧しくはなかったのだ。失敗、格差、貧しさを他人や社会のせいにしているに過ぎない。美しい心は美しい国より優先にしたい。 (埼玉・YW)

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