コラム

2007/05/10

大きい営業パーソンの力量(東京・JI)


▼地域の仲間とフリーマーケットに出店した。商品は子供服と靴と玩具。売り場の中心に居座って、客との値段交渉を担当。並べた商品の知識など持ち合わせていないため、説明は仲間に任せた。代わりに展示には徹底的にこだわり、種類別やサイズ別に分類し、見やすくて選びやすい環境を整えた

▼ひとつの商品価格は200円から300円。こうした少額取引を何度も繰り返し、最終的には3時間で約8000円を売り上げた。初めての体験で楽しかったが、天候に恵まれたおかげで逆に暑さに悩まされた。家に帰ってからは充実感よりも疲労感が体を占めていた

▼萩原張広著『営業の科学』(ダイヤモンド社)によると、営業には案内型と提案型があるようだ。商品にハードとソフトがあるとして、ハードを売りたい場合は機能や効用を説明する案内型営業。ソフトやサービスの場合は、商品が生みだす価値や利用方法を伝える提案型となる。客は説明から効用を想像するため、「営業パーソンの力量によって成果は大きく変わる」とある

▼ハード商品の場合は、案内型のみならず提案型の営業も可能だ。著者自身、提案型の営業に変更したことで売り上げが伸びた経験があるという。先のフリーマーケットでは商品を分類して展示したが、これはいわば案内型といえるだろうか

▼たとえばショーウインドーのように複数の商品でイメージを一体的に提示したりすれば、あるいは購入によるメリットを強調すれば、もっと売り上げは伸びたかもしれない。そして展示した商品は半分ぐらいが残った。今は「営業パーソンの力量」の無さを悔やむばかりである。(東京・JI)

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