コラム

2007/05/15

活字文化のゆくえ(茨城・KK)


▼「本や雑誌が売れない」「文字離れ」「活字離れ」が叫ばれて久しい。読書する子供や若者が減少していることが、将来の日本の文化創造に大きな影響を与えるのではないかと危惧されている

▼「羅針盤」「火薬」とともにルネサンス三大発明と言われる「活版印刷術」をドイツのグーテンベルグが発明したのが560年前(1447年)。近年、それに匹敵する革命とも言われる電子書籍が注目を浴びている

▼日本のインターネット利用人口は2006年2月調査時点で約7300万人、前年度5・1%増。急速な普及に対し、各出版社は危機感を抱きながらも、紙媒体の将来について、現時点では総じて悲観論は少ないようだ。書籍としての一覧性、携帯性、再読性、信頼性、保存性など優位点を挙げる

▼本来、本というものは、物体として値打ちがあるものではない。あくまでも中に込められている情報にこそ価値があり、それが大切なことは言うまでもない。今日、日本の出版業界の苦境の原因のひとつに住宅事情もありそう。「この本をとっておきたい」と思っても、定期的に処分しなければスペース上、次の本が買えないというのが現状だ。図書館の地下書庫でボロボロになりカビ臭くなった本を手に取った時など「なんとかならないか?」電子書籍の普及に期待が持てる

▼紙に印刷された本が無くなる?あるいは非常に少なくなる?個人的にもそうは思わない。それは本が、紙やインク、布や皮、糊からなる「もの」だからだ。愛着あるものを所有することは大きな喜びだ。今後もデジタル情報とバランスを取りながら発展してゆくだろう。 (茨城・KK)

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