コラム

2007/05/17

「時間」よ止まれ(群馬・SN)


▼新学期に入って、初めての朝の旗振りをした。以前、この小欄で旗振りを題材に出稿したが、あの頃は正直苦役と思っていた。しかし、長女が中学に入学、その弟も小学5年生に進級し、任務も残り2年となり心境も変わってきた

▼筆者の地区の旗振り当番は、1回につき2日間。年間では、4回程度当番が回ってくる。下の子が卒業するまでに、もう8回位しかない。1年生の頃は高学年の間に挟まれ、守られながら登校していた息子が、今は最後尾に陣取っている。その光景を見ていると、家に居る時と違って別人の様に逞しく見える

▼そういえば、先日妻から聞いた話だが、仕事の帰りに友達と下校する息子を見かけ、車を止めて声をかけたら、怒った表情を浮かべ無視されたという。息子が、なぜそのような態度をとったのか、わからないとこぼすのだ。筆者が『友達がいる所で、ちゃん付けで呼んだからでは』と見当をつけていうと首を立てに振りつつも、それがどうしていけないのかわからな気な表情

▼この話を聞いた時も、全く成長していないと思っていた息子だが、「少しは大人になったんだなあ」と感じた。筆者も経験あるが、彼にとって「ちゃん」付けは友達の前で恥をかかされた行為なのだ。そのことを妻に説明すると、今ひとつピンとこない様子

▼旗振りを終えて家路の途中、思春期を迎えるにつれ、家長である自分への責任が重くのしかかってくるのかと思うと憂鬱な気分に。しかし、それよりも成長するに従って自分には理解できないことが増えていく娘への寂しさを感じてしまった朝だった。今のままであることが一番だと知ってはいるものの。(群馬・SN)

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