コラム

2007/05/23

あなたならどっち?(東京・HK)


▼「じゃあ、ここで問題です。あなたは長年の念願がかない、交際していた女性と結婚することになりました。しかし、結婚式当日にあなたは寝坊してしまい、大急ぎで式場に向かっていると、その途中で思わぬスクープが転がり込んできました。この情報はどこの新聞社も知らない情報です。あなたが記者なら、この状況でどうしますか?」

▼学生時代、某全国紙のガイダンスで講師から質問を受けた。大勢の学生がいる中、突然の質問に驚いたが、当時お付き合いしていた女性の目もあって「結婚式です!」と即答。他に質問を受けた学生も数人いたが、「一生言われそう」「後が怖いから」などの理由から、結婚式を選ぶ学生がほとんどだった

▼「やっぱりそうですよね。私も最初はそう思いました」。講師も入社したてのころ、同じ質問を受けたという。記者を続けていくうちに情報に対する考えが変わったと話す。「若いころは、プレッシャーから記事が書けなくなる夢も時々見ましたよ」。ガイダンス終了後、講師が漏らした

▼「これは他の新聞社には内緒ですよ」。ある取材先で、一度だけ特殊な情報を手に入れたことがある。担当者が良いことでもあったのか、たまたま機嫌が良かったのか、運が良かったのかは分からないが、その情報をもらって紙面に載った時の感情は何物にも変えがたいものだった

▼「今なら間違いなく情報を選ぶと思うけど、お前はどう思う?」友人にたずねると「難しい問題だけど、お前はとりあえず結婚相手を探すことが先決だろう」と素っ気ない。実は、筆者にとってはそれが一番難しい問題のような気もする。(東京・HK)

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