コラム

2007/05/29

横並び社会・日本への警鐘


▼世界一の半導体メーカーと言われるIntel Corporation(インテル)の創設者の一人であり、現名誉会長であるゴードン・ムーア氏は「日本の社会は非常に硬い」と言う。つまり日本は、現在ある既存の商品の改善や改革を掲げ、社員が一丸となって努力し、製品の構造やプランを練り直すことで、それなりの効果と実績を上げることのできる分野に非常に強い

▼ところがマイクロプロセッサーのソフト開発のような分野については、何百人の技術者がいくら考えても目新しいものはでてこないかもしれない。しかし、数人の天才的な「ヒラメキ」を持った人間がその場にいれば可能性がある

▼これからの社会は、改善や改良だけでは限界があるし、物づくりのシェアでは中国や東南アジアには敵わない時代が目の前にやってきている。生半可な研究では、すぐに真似されてしまい、年々開発に掛かける速度も加速化されている

▼それでは他者が真似できないものをクリエート(創造)していけばいいのでは?と考えるだろうが、そんなに簡単にはいかない。どうしたらた他者に負けない「勝ち組として生き残ることができるか、真剣に考えなくてはならない」と近頃つくづく考えるようになった

▼ムーア氏はこうも言っている「日本の社会は、とてつもない考えを出す人間を大事にし育てて、そういった人間の指導できる人材を育成しているの?」と疑問を投げかける。横並び平等主義の日本では、誰もとてつもないことに挑戦しようとする気にはならない。そういう才能をそだてる教育システムの少ない現代の日本への警鐘だと心したいものだ。(茨城・NI)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら