コラム

2007/06/01

「おもてなし」の公共事業(茨城・SI)


▼5月は建設業界を問わず各種団体の総会が盛んに行われた。担当記者は連日取材に東奔西走する日々が続くが、最近は、総会後に講演などを行う団体もあり、取材の際の楽しみの一つになっている

▼最近特に心に残るものとして「お持て成し」をテーマにした講演がある。これは、帝国ホテルの資材部支配人まで務めた講師が、「おもてなし」と「公共事業に携わること」は根本的に相通ずると指摘。相手を思いやる気持ちは、今の公共事業に求められているものではないかとの問題提起に、なるほどと感心してしまった

▼そもそも「おもてなし」とは、客を歓待すること、または客の世話をすることである。ホテルや旅館などお客様相手のサービス業でよく使われる言葉だ。建設業界とりわけ公共事業に「おもてなし」と相通ずるイメージはわかない。似ても似つかないというのが一般的。しかし、公共事業の趣旨を大きな観点でみると「今こそ求められるテーマ」ではないだろうか

▼一方、公共事業とは、国、地方公共団体が公共の利益や福祉のために行う事業。道路・公園・上下水道の整備など市民生活に密接に関わる部分が多い。特に昨今では財政が厳しい行政側にとって、事業の重点化・効率化を図る上で、使う人の立場に立った執行が求められている

▼近年、公共事業にまつわる「市民の安全・安心」といった言葉をよく耳にする。本紙でも4月から「減り続ける公共事業、脅かされる安全」と銘打つ年間キャンペーンを展開中だ。今後も紙面を通じて公共事業の必然性、整備効果などを積極的にPRしていきたい。「おもてなし」の事業も含めて。(茨城・SI)

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