コラム

2007/06/20

「夢」はあきらめない(埼玉・YK)


▼関越道・所沢ICから所沢市街地へ1kmほど走ると亀ケ谷の交差点がある。古い話で恐縮だが、その交差点を川越方面へ100m程行った道沿いに2坪程のプレハブ小屋『カートショップビッグ』はあった

▼店主の「鈴木さん」は強烈なキャラで敵の多い人だった。そして、その息子「アグリ」(鈴木亜久里)は筆者と同じ1960年生まれ。彼は4輪の才能を持ちあわせていた。彼は全日本カートA2のタイトルを引っさげ、79年に全日本F3選手権に参戦した

▼F3クラスで5年参戦したが、当時のチャンピョン中子修選手や筆者もピットのお手伝いをしていた岩田英嗣選手には勝てず、結局タイトルを一度も取れずに終わった。F1を口にする者にとっては致命傷だ。それでも「俺はF1に行く」と言っていたのを覚えている

▼彼がツーリングカーにエントリーした時、筆者の仲間は皆「ついに諦めたか」と思ったものだ。しかし彼は諦めてはいなかった上、運も良かった。バブルが莫大な金をサーキットに流し込み、彼にもF1のシートを与えた。今では日本人で唯一表彰台にあがった男として歴史に刻まれている。夢は願い続ければ叶うーということだろうだが、実際は難しい。おおむね世の人は「現実を見ろ」と指導し「大人になれ」などと諭す

▼さて、夏になると雨は激しく降る。濁流の河川をパトロールし、崩れた道路を応急修繕する者がいることは知られていない。建設業の存在意義や社会貢献活動は発注者だけでなく、多くの人に知らせる努力を続けなければならない。社会に認知されるまで険しい道のりだが、あきらめたら目標は達成できない。(埼玉・YK)

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