コラム

2007/06/27

チャレンジ精神(埼玉・YW)


▼筆者が親しくしている旧建設大臣秘書官も経験した国土交通省の官僚によると、同期の1人が何と同省の課長ポストを捨てて、俳優に転身したそうだ。世間一般的に言う、お堅い就職先で、高級官僚の行動であり、驚きだ

▼その人は、40台後半になり、「今好きなことをしないと一生後悔する」とラストチャンスにかけ、多くの劇団に履歴書を持参して通ったそうだ。履歴書を見て、「皆、冷やかしかなんかだと思っていた」そうだ。世間的には「東大法学部卒業のキャリアがなぜ劇団に」と思うのは当然かもしれない

▼昨今は某劇団で毎日若手と勉強し、来る舞台に向け人生最高の至福の時、充実感を味わっているらしい。充実感を味わい、好きなことにチャレンジしている時こそ最大の幸福ではないだろうかと常々感じている。リクルートの江副氏は以前次のように語っていた。「成功して富を持つことが幸せでも目的ではなかった」「夢に向かってチャレンジしているプロセスこそ楽しかった」と発言している

▼きっと、時の人であった堀江氏や村上氏も同じ考えではないだろうか。戦国武将の明智氏は従兄弟の秀満に「若い頃の夢にチャレンジできることほど幸せはない」と本能寺の変の際に、「今こそその時である」と光秀の心を読み、決起に理解を示したそうだ

▼価値観は、その人個人の問題である。周囲や他との比較は何ら意味もなさない。したがって、本来勝ち組も負け組も一律の指標で世間が決めることではない。人生も同じだ。安定を捨て、荒波に志しの旗をたて小舟を漕ぐのはすばらしいチャレンジ精神だ。そのような人には心から応援したい。(埼玉・YW)

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