コラム

2007/07/31

夏の風物詩に見る技術(茨城・KI)


▼今年の夏も日本各地で花火大会が開かれている。隅田川や横浜、神宮外苑などは特に多くの人が集まる。花火は、大人から子どもまで人気があり、まさに夏の代表的な風物詩と言える。筆者も小学生のころは、夏に開催される花火大会を非常に楽しみにしていたものだ

▼花火の歴史は古く、江戸時代にイギリスの花火職人が徳川家康の前で花火を披露したことに始まる。その後、火薬や打ち上げ技術の改良といった様々な進歩を重ねて、現在見られる色とりどりの花火が完成するに至った

▼また、花火と言えば「かぎや〜」とか「たまや〜」というかけ声が有名だ。江戸時代の花火師である鍵屋弥兵衛の名前からきているのはご存じのとおりだ。彼の放つ打ち上げ花火は、特に美しいと評判だったという。そして当時の豪商たちが納涼船を出して花火師に花火を打ち上げさせるのが贅沢の極みであった

▼外国で花火を見た友人が言っていた言葉を思い出す。「日本の打ち上げ花火は色が鮮やかで、形も美しい」と。海外のものは、日本のように開いた時に奇麗に丸くはならないのだという。日本人は、手先が器用だと言われる。外から取り入れたものを単に真似するだけでなく、さらに良いものへと創りあげる。芸術的な花火は、長い歴史の間に培われた職人たちの技術の結晶だ

▼たとえば、線香花火などは日本独特のものだ。火を点けると丸く光り、小さな火花を散らす。この時期は各土木事務所を中心に優良工事の表彰式が行われている。受賞した道路や排水路などを見ると、一目で美しいと分かる。職人の技術や思いがどの施工にも込められているのだと強く感じる。(茨城・KI)

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