コラム

2007/07/20

未来の建設業従事者(茨城・KI)


▼建設業における若者離れが顕著だ。工事の縮減などとともに業界では頭を悩ませている。確かに労働条件は過酷であり、工期までに安全な施工で進めていく必要なのは読者もお分かりだろう。一方で、ゼロから作りあげる喜びもある

▼CCI茨城(茨城県魅力ある建設事業推進連絡会議)では、事業の一環で県建設業協会の各支部などと協力して中学校にログハウスの寄贈を行っている。ハウスの広さはおよそ10?。今年で14回目を迎える。中学生にモノづくりの楽しさや建設業に対する理解を深めようとして行っているもので、担当地域の建設業者が手弁当で参加するもの

▼このログハウス製作のボランティアではまず、中学生自らが基礎工事を体験するほか、測量や重機操作なども行う。重機操作は、初めて体験する生徒たちがほとんど。最初はおっかなびっくりで操るものの徐々に慣れてくると、次第に笑みも浮かぶ。また、中には大人顔負けのテクニックで土を盛る生徒もいる

▼普段の生活では体験できない授業として、この日を待ちわびる生徒も多いと聞く。完成したログハウスは、その後談話室やロッカーとして利用されることが多い。将来、卒業しても自分たちで造ったことは思い出になることだろう

▼事務局の談話だが、一般紙では、建設業の談合やダンピングといったニュースは報じるものの、こういった活動の報道はほとんどないと嘆く。それを聞いて、少し残念な気持ちになった。ただ、一過性のものではなく、続けていくことで変わっていくかもしれない。そしてこの中から将来、建設業に誇りを持って汗を流す生徒が出てくるに違いない。(茨城・KI)

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