コラム

2007/08/06

まちづくりを体験(東京・YO)


▼今から20数年前になる。当時暮らしていたまちに埼京線武蔵浦和駅が開業した。「都心へ出るのが楽になる」その程度にしか感じなかったが、これほどまでにまちが変わるとは思っても見なかった

▼言葉は悪いが、開業以前はまさに陸の孤島ともいえるような地域だった。ちょっとした買物もできず、デパートなどがある繁華街への交通手段は、路線バスもしくは自転車を利用していた。路線バスに乗ろうとも、バスが来るのは1時間に1本程度。結局、自転車に頼ることになる。どんなルートで行こうが、必ず大きな坂を通らねばならず、辛かったことを思い出す

▼しかし現在、再開発事業などにより中・高層住宅が立ち並び、いたるところで新たなマンションの建設が進められている。都心への利便性もいいことから沿線に住む人も増え、駅周辺にはスーパーや大型商業施設、行政施設ばかりかスポーツジムまでオープンした。電車の開業当時を振り返るとウソのようだ

▼国土交通省の交通政策審議会交通体系分科会地域公共交通部会が「地域による地域のための公共交通・活性化・再生を目指して」という報告書をとりまとめた。この中では、まちづくりとの連携や福祉・文化施策との連携など、地域公共交通の活性化・再生に向けた各種方策が盛り込まれている

▼鉄道または都市計画道路などの開通効果を発現させたまちづくり。開業から20数年が経過した今、身を持って実感し、変わりゆく姿を目の当たりにすることができたのは、とても幸せなことだと思う。これからもまちは変わっていくだろう。今後どのような姿へとなるのか、多いに楽しみにしている。(東京・YO)

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