コラム

2007/08/09

認識したいBCP(埼玉・SE)


▼沖縄県を直撃した台風4号。風速30mを超える暴風雨の中を車で走った。樹木は小枝のように折れ、切れた電線は火花を散らしながらムチのようにうなる。九州地方などにも大きなキズ跡を残した7月観測史上最強クラスだ。台風の眼から抜けた後の猛烈な吹き返しの恐ろしさも体験した。関東に戻って飛び込んできたニュースは震度6強の新潟県中越沖地震。自然災害の前ではいつの時代でも人は無力であることを痛感する

▼災害時など緊急時に倒産や事業縮小を避けるため、企業存続計画、いわゆるBCP(Business Continuity Plan)が少しずつだが注目されている。大手企業間ではBCPを持たない企業は備えがないというレッテルを貼られ、契約すらしないという。中小企業では、言葉すら知られていないのが現状のようだ。緊急時対策ができていない企業は、現状も危ないと判断されがちだ

▼災害に強いまちづくりを目指して各県では、BCPマニュアルの作成に着手している。地震が起きたときにどうするのかではなく、企業を維持するために現在の経営体制をどうするか、ということをどれだけ理解して取り組めるか

▼企業だけではない。一般家庭において災害時の対策はできているだろうか。地震があったら、火事がおきたら、家族の誰かが事件にまきこまれたら、大きな病気にかかったら・・・準備ができているのと、いないのとでは生死にも関わる

▼BCPの必要性とともに、異常気象をつくり上げてしまった原因も人間であることを改めて認識したい。まず美しい地球を見直さないことには、美しい国、日本はやってこない。(埼玉・SE)

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