コラム

2007/08/16

建設業が叶える夢(長野・EM)


▼幼稚園に通い始めた娘の目下の夢は、アニメの主人公「プリキュア」になること。日曜朝の放送時間は彼女の至福のひとときである。始まると同時にテレビを凝視、以降30分は地蔵と化す。叶えたいのは親心だが、米粒ほどの虫すら触れないヒロインを、きてれつな悪者と対峙させるのは少々気が引ける

▼夢と現実を自由に行き来できたのも今は昔。「Let It Be」の意味を履き違え、おざなりに過ごした青春時代が祟(たた)ってか、以来「夢」は寝て見るだけのものとなった。やりたいコト、なりたいモノ。叶うか否かはさておき、それを持っていることは、それだけで素晴らしい

▼未来を担う子どもたちに建設業のことを知ってもらおうと、長野県建設業協会など長野県内の建設産業団体が企画した初の大規模なイベントが6月下旬に長野市で開かれた。「建設機械に触れて、職人技を楽しむ2日間」とのふれ込みに、延べ1万4000人が来場。家づくりの基礎となる木組みの実演など趣向を凝らした数々の催しで終日賑わいを見せた

▼なかでも建設機械の試乗コーナーは、事務局が「オペレーターばかり育ててどうする」と苦笑いするほどの盛況ぶり。真剣な表情でパワーショベルのアームを操り「ボールすくい」に興じる子どもたちの姿は、若者離れに悩む業界の現実を一時忘れさせてくれた

▼子どもがスポーツ選手や先生を夢見るように、親が公務員を薦めるように、建設業がそんな存在となるために取り組むことは我々が果たすべき使命である。安全・安心な社会資本整備同様、その夢を叶えられるのは、今、業界に身を置く者以外にないのだから。(長野・EM)

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