コラム

2007/08/27

「生きる力」について(群馬・YN)


▼「その写真を頂けないでしょうか…」。「はぁ?」花を撮るのに夢中になっていて、その声が自分にかけられている事に気付くのが遅れた。振り返ると年配の女性がいる

▼話を伺うと、友人が寝たきりになり入院していること、一緒に花を愛でる旅を楽しんだ想い出がある事等を話してくれた。そして、せめて写真で大好きな花を見せてあげられたらと思って、つい声をかけてしまったのだと言う。その優しい心が、胸にジーンときた。筆者も家族に病人を抱える身である。もちろん、喜んで写真を送る約束をした

▼早速、花の写真をあれこれ選んで2Lサイズのアルバムにして宅急便に託した。翌日お礼の電話を頂いた。その折りに言われた言葉に、また胸が打たれた。「病人の生きる力になると思うの。花が大好きだから…」。うれしかったのは言うまでも無い。見知らぬ人に生きる力を与えられたのだ。素直にすごい事だと思う

▼「そうか生きる力か」。それなら建設業界だって負けてはいない。「あの橋が架かったおかげで…」「あの道が通れるようになったから…」「この家が建ったから…」と枚挙にいとまがない。多くの建築物や建造物が造られたという事以上に、人々に力を与えた。そうした力を感じて、高い志を持つ多くの読者が、建設業者がいる

▼弊紙は、生きる力を与えられる物を造る努力に対し、またそれを職業とする人々の志にも貢献している。ならば、より一層、毅然とこれに応えなければいけない。「生きる力」は誰もが求めるし、求めている。新聞だって生きる力になっている。今さらながら課せられた大きな使命を肝に銘じている。(群馬・YN)

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