コラム

2007/09/04

暑かった今年の夏(茨城・NI)


▼今年はことさら暑い夏だった。盆等で帰省された人もいたかと思われるが、実は帰省の「省」とは、安否を問う意。故郷に帰って父母の安否をうかがう事。帰省(きせい)と帰郷(ききょう)とでは心もち意味合いが違う

▼今夏の猛暑について気象庁では、南米ペルー沖で海面水温が低下する「ラニーニャ現象」の影響で、太平洋高気圧の勢力が強まったうえ、「フェーン現象」が重なったことが原因と解説。また、連日の高温に加え夕立も少ないため、夜に気温が下がらず、高温のまま朝を迎え、再び日が昇るという悪循環を生む

▼岐阜県多治見市等で40・9℃の最高気温を記録。実に74年ぶりにを更新した。録新潟県中越沖地震から1カ月が過ぎようとしているが、被害の大きかった柏崎市を中心に現地では仮設住宅の入居申し込みがはじまった。仮設住宅にはこれまでの教訓を活かし換気扇やエアコンが取り付けられるなど工夫がされている。最終的には約2000棟の仮設住宅が建てられる予定

▼そのほかにも心配なことは多々ある。それは被災地ばかりではなく、高齢者が熱中症などで倒れる件数が増えていることだ。年々進む高齢化社会に拍車をかけるべく地球の温暖化や異常気象。現在、ヨーロッパでは、高齢者を守るために年間で1日の休日を返上して得た労働費を高齢者のために使うというもの

▼ふと我に返る。「毎日きちんと食べているのか?」「暑くはないか、寒くはないか」とあれこれ心配してくれる父や母の顔がある。9月になり、蝉の鳴き声に代わり、虫の声が聞こえるようになった。涼しさも加わって、無性に感傷的になる季節だ。(茨城・NI)

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