コラム

2007/09/05

頑張れ出はなく(群馬・SN)


▼筆者は日頃から子どもに「もっと勉強をしろ!頑張れ!」と、言ってしまう。夏休みは特に、だらだらしている子ども達を見ると、思わずそう口走ってしまう。彼らは一瞬シュンとなり、別の部屋に行ってしまう。冷静になって考えてみると、もしかしたら今勉強が終わってテレビを見ていたのかも知れない。あるいは、塾から帰ってきた所かも知れないと、思い直す

▼自分も子どもの頃、夏休みにテレビを見ていると頭ごなしに「いつもテレビばかり見ていて。まったく…」と、両親にしかられた記憶が蘇ってくる。持久走の時もよく、先生から「頑張れ」と声をかけられたが、「精一杯頑張っているのに、まだ頑張らなくてはいけないのか」と、激励を素直に受け取れなかったことも少なくない

▼会議などの取材を通して、官庁は厳しい経営環境に置かれている建設業に対し、技術力向上や経営革新等に取り組み、生き残って欲しいといった内容の挨拶をよく口にする。聞いている側からすれば「毎度お馴染みの、型通りのフレーズ」で聞き手の心には響かない

▼入札制度の改善にしてもしかり。例えば、総合評価落札方式について「ああ、あれは官庁の職員削減防止策の一環だよ。公共事業が減ってる中で、職員の数も減らせといわれた場合に備えて、総合評価は事務量が今までとは比べものにならないほど多い。定員は減らせないと言い訳できるようにしているだけだよ」という声さえある

▼きっと、子供達は毎日頑張っているに違いない。そう、信じている。だから、これからは「頑張るな」と声をかけてみようと思う。そのほうがエールとして効果があるかもしれない。(群馬・SN)

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