コラム

2007/10/10

一般競争拡大で書類増(茨城・HN)


▼ペーパーレスで電子化の時代とよく言われるが、書類の量は減少しているだろうか。要因は「OA機器の導入」「デスク横の余分なスペースに紙を置く」など様々。だが弊社の場合、理由の一つに、官公庁の一般競争入札の拡大が挙げられる

▼従来、入札1件あたりに要する用紙のスペースは1枚程度が基本だった。なかにはA4版の用紙1枚に数件の入札情報が詰め込まれているものも多かった。それは指名競争入札が主流だったため。指名競争は、すでに参加業者が決まっているため「単体やJV、市内Aランク1000点以上」などといった参加条件や申請期限を掲載することもなかった

▼しかし一般競争は公告文の中身が盛りだくさんだ。国の入札などは1件あたり5枚程度が当たり前。なかには倍の10枚にわたる公告文も。中身の多くは定形文。原文でもこれだけ枚数がかさんでしまうのに、紙面に載せる校正作業が必要なため、さらにコピーせざるを得ない。例え電子媒体で情報を入手しても、校正のため、一度プリントアウトする必要が出てきてしまう

▼これは他の企業にも言えるはず。情報配信元の発注者側でさえ、電子化して情報を公表しているとしても、ネット上にアップする前に、作成、校正などで紙を多く使用しているはず。1枚あたり1円もしない用紙でも、塵も積もれば山。経費の無駄となってしまう

▼効率化と経費削減を目指した電子化だが、これがかえって不効率を生み、結果的に経費増大につながっている。膨大な情報を扱うため、資源を無駄にしないための徹底策は必須だ。しかし、一般競争の内容に根本的な矛盾は無いだろうか。(茨城・HN)

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