コラム

2007/10/23

実感できない好景気(茨城・NI)


▼経済活動が活発になる好景気が、平成14年2月に始まって以来19年9月時点で68ヶ月続いている。昭和40年から45年にかけて57ヶ月続いた「いざなぎ景気」を超え、戦後最長の好景気であると国が発表。戦後最長の好景気というものの、一部の世相を除いて全くと言って良いほど実感がわかないのはなぜだろう

▼「いざなぎ景気」は、第二次世界大戦後、日本が成長し、経済大国となる時代と並行して急な斜面を一気に登っていくような状態で伸びてきた。しかし昭和45年をピークに景気の泡が弾けて、年々景気は悪くなり、日本経済は深刻な不景気に陥った。そんな不景気も平成14年1月を底に景気は回復しはじめ、平成14年2月から現在まで続く好景気時代に突入しているーという

▼バブル景気が終わった後、深刻な不景気を克服するため、企業は抜本策として多くの社員をリストラして経費を削減した。これまで会社に尽くし一生懸命働いてきた団塊の世代が標的となった。さらに、就職氷河期に突入し、就職をせずにフリーターやニートと称して生活する若者を表す言葉が生まれた

▼その結果、過去最高の利益を生む企業が増える一方、社員の給料は全くといっていい程上がらない。旅行や買い物に出かけようとする気持の盛り上がりが起きないため、商店街やデパートなどでは閑古鳥がなく日々が続いている

▼少しでも長く好景気が続き、企業が社員を増やしたり、給料を上げたりすることで、多くの人が豊かさを実感できるような、そんな世の中になって欲しいと願う。新内閣が本格的に始動した。まずは、著しい地域や業種間格差の早急な解消からだろうか。(茨城・NI)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら