コラム

2007/10/30

「スローライフ」のお勧め(茨城・MK)


▼ゆったり、まったり、スローライフ三昧はいかが…。茨城県の北端、山間部の大子町は、全国で初めてという「農園付き住宅地の無料貸し出し」を始めた。貸出期間は20年間で、募集数は15区画。1区画は796?から1745?までと広く、住む人が自由に住宅を建築できる。クラインガルテン(滞在型市民農園)とは違い、そこに実際に住んでもらおうという試みだ

▼詳しい場所は、JR水郡線常陸大子駅から車で10分ほどの山田地区。以前は旧大子営林署のスギやヒノキの苗畑があった所で、自然環境は良好だ。そこの町有地約1万6400?を「山田ふるさと農園」として整備し、貸し出す

▼このような制度を始めたのは、定住人口の増加や地域の活性化を図るため。遊休地である町有地の有効活用も同時に進めようと、この仕組みを企画した。町では10月1日から居住者の募集を開始した。申し込みには、条件がある。そこに定住または二地域居住(年間90日以上滞在)し、自費で住宅を建築すること。住宅は平家建てで、建築工事では町内建設業者を利用することなどだ

▼優遇措置もある。最大の売りは、土地を20年間、無償で貸し出すことだ。金銭面では、固定資産税の3年相当額を交付するほか、1戸当たり50万円の住宅建設助成金も支給する。町では、この事業による経済波及効果を10年間で4億7000万円と試算している

▼対象者に年齢制限などないが、団塊の世代はもちろん、若い世代も大歓迎としている。芸術活動などに取り組む人も想定するなど、定住のスタンスは問わないという。スローライフが求められている昨今、この制度の行方が注目される。(茨城・MK)

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