コラム

2007/11/07

古代ビールの味わい(群馬・HM)


▼黄桜?(京都市伏見区)から「エンマー小麦」を使用したビール「ホワイトナイル」が発売されている。エンマー小麦とは、紀元前8000年以前に古代エジプトでビールの原料として使われていたもの。同社はこれまでも近い品種でビールを作っていたが、エンマー小麦の栽培に成功し、この夏ついに発売となった

▼とはいえ、当時のビールとは製法が異なるため、「再現」ではなく「古代麦を使用した現在のビール」というもの。当時のビールがどうだったのかというと、これはキリンビールが再現を試みている。キリンの研究によると古王国時代のビールは、炭酸が入っていないので泡立たず、味は酸味が強く白ワインのようだったという。一体、どんな風味なのか是非一度は味わってみたいと思っている

▼エジプトを代表する建造物であるピラミッドの建設にもビールは一役買っている。従来、ピラミッドは奴隷によって造られたと考えられてきたが、建設にかかわった人々の住居跡が発見され、豊かな生活を送っていた事が分かった。現在では農閑期における公共事業説が一般的

▼ギリシャの歴史家ヘロドトスは「パン、ビール、にんにく、大根などを食べてピラミッドを造った」と記録している。古代エジプトではビールは毎日のように飲む、生活にかかせないものだったようである。一日の労働を終えて家で飲む一杯。リフレッシュして翌日からの労働への気力を養ったことだろう。今も昔も労働者の楽しみは変わらない

▼独特の酸味とスッキリとした飲み口の「ホワイトナイル」。1日の疲れを癒しながら、のんびりと悠久の時の流れを味わいたい。(群馬・HM)

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