コラム

2007/11/08

待つことの重要性(埼玉・HK)


▼先日、キックボクシングを続けている弟が初めて試合に参加した。大学から始め、所属するジムでライセンスを取り、アマチュアでのデビューとなった。「今度の日曜、試合に出るから良かったら見に来てくれ」と言われ、「暇だったら行ってやるよ」とそっけなく返したが、前日は心配であまり眠ることができなかった

▼試合は通常の半分となる1分30秒の2ラウンド制。私自身が格闘技をやっていたこともあるが、実際に1ラウンド3分を経験すると、非常に長く感じる。弟は練習不足もあったせいか、途中でスタミナが切れ、打ち合いの泥試合となった結果、判定負けを喫した。応援でヒートアップしていたため、あまり様子は覚えていないが、弟にとってあの試合は良い経験になったと思う

▼小さいころから両親は共働きで、母親は帰りが遅く、父親にいたっては海外に単身赴任ということもあり、弟は私にとって子どものような存在だった。それ故、ぶつかることも多く、ここ2、3年はほとんど口もきいていなかった。今思えば「もっとちゃんとみてやることができていたら」と後悔の念が募る

▼「将来何がしたいか分からない」「どんな仕事をすればいいのだろうか」。友人や後輩から相談を受けることがある。せめて、やりたい事を見つけた弟の助けが今後できればと思う

▼「兄貴、これから銭湯でも行かねえ?」「そんな時間があったら練習しろよ」。最近では弟と携帯電話でのやりとりも多くなった。しかし、よほど自分の筋肉に自信があるのかどうかは知らないが、写メールで筋肉の写真を送ってくるのだけは勘弁してもらいたいと思っている。(埼玉・HK)

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