コラム

2007/11/14

日本酒の会で思い出した事(群馬・HM)


▼行き付けと言える程ではないが、たまに顔を出す居酒屋から「日本酒を楽しむ会」に来ないかとお誘いを受けた。山形県は加藤喜八郎酒造の名酒「大山」を楽しむ会だと言う。当日は、あまり市場に出回らない酒も出るらしい。喜んで妻と2人分の席を予約した

▼群馬県なのに「熊野」という珍しい屋号を掲げるこのお店、何しろ出てくる料理が絶品だ。日によっては太刀魚やタラの刺身といった珍しいものも登場する。オープンして1年と少々。客足は増す一方だ

▼「大山」を楽しむ会だが、何か文章にするのは自慢しているようで気が引ける。そのぐらい出席して良かったのだ。マスターは「お世話になったお客さんに恩返し。赤字です」と笑う。いつも元気で人気者のママもいくらか酔っぱらいながら「飲んで飲んで」とすすめる。米の味をしっかりと残しながら、のどにスッと入っていく名酒「大山」。極上の酒と料理を堪能した

▼この会に出て、企業の目的、手段、対価を勘違いしてはいけないという話を思い出した。例えば建設業の目的は何か。橋や道路をつくる事でもなく、ましてや利益を上げることでもない。目的は地域住民の安全確保や生活環境の向上。そのための手段として橋や道路をつくり、目的を果たした時に対価として収入を得る。この手段や対価が目的にすり替わっている企業は駄目だという。これは個人レベルの業務でも言えることだろう

▼客足が増す「熊野」。明治から愛され続ける「大山」。ともに「おいしいものを」という目的を忘れていないのだろう。自分の場合は何が目的なのか。ほろ酔いの頭で改めて考えてみた。(群馬・HM)

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