コラム

2007/11/19

海底から古木が出現(新潟・KK)


▼7月に発生した新潟県中越沖地震から4カ月。住宅や商店街の再建、原子力発電所の問題など課題は山積するが、被災地では仮設住宅での生活が始まり、復旧工事も進むなど早期の復旧・復興へ向けて着実に動き出している

▼今回の地震では、液状化による地盤の沈下やズレが大きな問題となったが、震源が日本海の沖合いだった影響で海底に眠っていた古木が大量に出現するという思わぬ現象が生じ、話題となっている。地震で海底が強く揺すられ、長年海底に沈んでいた大量の古木が日の目を見ることになったことは非常に興味深い

▼この海底古木は、柏崎から出雲崎沖にかけての水深70〜100mの海域で無数に発見され、約3100年から6500年前の縄文時代中期・後期のものと見られる。海底から回収された古木は、新潟県が一般に無料配布したところ希望者が殺到し、これまでに引き上げた分の古木は2度の配布で全て無くなった。しかし、海底には多くの古木が残っていることから、来年度以降も無料配布する可能性があるとしている

▼古木は大きいもので1mを超える。太古のロマンを歓迎する声がある一方で、この海底で漁をする漁業関係者にとって、古木はとんだ厄介もの。海底に大量の古木があると網に傷が付き、漁に支障をきたすという

▼地震による影響で何が起こるのかも分からない。「災い転じて福となす」とまではいかないが、予想外に出現した海底古木は、太古の歴史を感じさせるとともに、震災のメモリアルにもなる。加工が出来ず、インテリアとして利用するしかないのは難点だが、物珍しさも手伝って観光振興に一役買いそうだ。(新潟・KK)

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