コラム

2007/11/20

あなたの忘れ物を探しに(茨城・NI)


▼家族で映画館を訪れた。観る映画は「ALWAYS続・三丁目の夕日」。東京オリンピックの開催が決定し、高度経済成長を目前とした昭和の34年の春が舞台だ。近頃、昭和の香りが色濃く漂う昭和30年〜40年年代を舞台にした映画が好反響を呼んでいる。正直、筆者はこの時代には、生を受けるておらず、全く知らない世界。とは言え、父親や母親、祖母にとっては生きた時代

▼デジタル技術の進化によりCG(コンピュータ・グラフィックス)で昭和34年当時の街並みや風景を忠実に再現することが可能となった。そのため、あたかも「その時代にタイムスリップしたような錯覚をおこす程、懐かしい気分に浸ることが出来る」と父は話す

▼映画館の中は超満員で老若男女が時には爆笑の渦に、時にはハンカチを片手にすすり泣く姿が筆者にとっては少し奇妙だった。以前、短編映画製作をかじったことがある筆者の個人的な感想では、「前作を上回る感動と笑いが詰った作品に仕上がっている」と思う

▼なぜならば、その時代を生きていない、10代から30代の若者がこれまであまり一緒に映画など見ることの無かった親や祖父母を連れて映画館に足を向け『胸いっぱいの温かい気持ち』と『親孝行』という大切なプレゼントを持ち帰って来る姿を見かけたからだ

▼まだこの映画を観ていない方は、だまされたと思って、是非家族や恋人と映画館に足を運んで欲しい。この急いで流れていく現代社会に置き忘れ、失いつつあるあなたの忘れ物が必ず見つかるはず。「この映画を機にもう一度この荒んだ世の中がほんの少しでも変わって欲しい」と思う。(茨城・NI)

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