コラム

2007/12/04

大切な音を聞くために(茨城・KM)


▼この世は音にあふれている。職場で耳を澄ますだけでも、電話の着信、FAX受信、PCのタイプ音、紙をめくる音、ドアが閉まる音、会話などさまざまな音が聞こえてくる。自動車教習所では、踏切に到達した場合、左右確認とともに窓を開け、音を確かめるように教わった。音はさまざまな情報を人にもたらす

▼その大切な「音」が聞こえにくい「難聴」の若者が増えているらしい。数10年前に携帯型カセットプレーヤー「ウォークマン」が登場して以来、指摘され続けている問題である。特にここ数年は、iPodなどの携帯音楽プレーヤーや携帯電話など直接耳に付けて使用する機器の普及が著しく「体は若いが、聴力は老人並み」の若者が増えているらしい

▼ここで言われている難聴は「騒音性難聴」と呼ばれるもの。高い周波数の音が聞こえにくくなり、時々軽い耳鳴りがしたり、騒音のある状況で会話が聞き取りにくくなったりするようだ

▼騒音などで耳にダメージを受けても、その後で耳を休めれば、少なくとも部分的に、ダメージは回復する。しかし、繰り返し騒音にさらされ続けると、内耳の有毛細胞がどんどん傷つけられ難聴となる。難聴は一度罹病すると治ることはない

▼3年前「ボンッ」と言う音とともに愛車のエンジンが寿命を迎えた。先月「いぃってぇー」と言う妻の叫び声と共に、長男が産まれた。その子はすぐに「ほぎゃー」と泣いた。そして「きゅる」「ボフッ」と音がし、息子が排便をした。音は情報だけでなく、たくさんの大切なものを感じさせてくれる。温かい情報音があふれる環境を心から望んでいる。(茨城・KM)

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