コラム

2007/12/07

20XX問題への備え(茨城・HN)


▼最近、インタビューの際に「2012年問題」という言葉をよく耳にする。国の法改正で、多くの団塊世代が雇用延長となり、2012年に一斉退職するというもの。思い起こせば昨年の今ごろも、よく2007年問題という言葉を聞く機会が多かった

▼この20XX問題で共通する点が、マスコミを中心に話題が多く取り上げられ、注目されていたこと。最初が2000年問題。西暦2000年になるとコンピュータが誤作動する可能性があるとされ、企業が関心を寄せたが、実際のところ大した問題は発生しなかった。一部では「対策に費用をかけすぎたのでは」、とか「メディアが大きく取り上げすぎたのでは」といった感想も聞かれたぐらいだ

▼2007年問題も、約300万人の団塊世代が一斉に定年退職すると、建設、農業、コンピュータなどの分野で技術が継承されず、若者を中心に技術力の低下につながるのではないか、と危惧された。だが、これもハッキリと目に見えるものではなかった

▼ただ、これについては、どうやら改正高年齢者雇用安定法(平成18年4月施行)が功を奏しているという見方が強い。つまり、この法改正で、多くの団塊世代が退職せず65歳まで雇用延長になり、2007年問題は2012年問題へと先送りされたというわけだ

▼いずれにせよ、この20XX年問題は、名前ばかりが一人歩きして、不安をかき立てられているようだ。もちろん、「備えあれば憂いなし」のとおり、事前の対策や準備は大切だが、やみくもに1から10まで備えれば良いというものでもない。本質を見極めて、局所的に備えることが大切なのかもしれない。(茨城・HN)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら