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場末のバーで教わったこと(群馬・HK) 2008/01/31
 ▼かつて「書を捨てよ町へ出よう」と劇作家の寺山修司さんは呼びかけた。しかし学生時代、キャ
ンパスではなく、むしろ居酒屋が学舎になったことも多かった
 ▼新宿ゴールデン街にある老舗バー「ガルガンチュア」もそのひとつ。演劇人で、ロシア俗謡を唄
うタンコさんが切り盛りする店内には、ハッキリした物言いのママを好む常連客が、10人も入れば
満席となる小さな店内で居酒屋論議を交わしていた
 ▼客層は年輩のマスコミ人や演劇人が多く、司馬遼太郎や松本清張など昭和の大作家や大宅壮一な
ど名編集者のエピソードを聞いたり、「三島由紀夫は『天才』か『秀才』か」など著名人の人物像を
巡って、言い争っているのを見るのは刺激的だった。また、演技派で知られる某役者が、劇団員にト
マトを買ってくるように頼み、購入して渡すと思いっきり壁に投げつけ、「スッキリしたからもう一
つ買ってきて」と悪態をさらしたことなど半信半疑で聞く裏話も楽しみだった
 ▼一方で、「君はどう思う?」なんて意見を求められた時には、勉強不足から言葉に窮して、冷や
汗をかくことも多かった。そんな時、次に来店するまでに自分の考えをまとめておくと、若者の青臭
い主張にも熱心に耳を傾けてくれる優しさがあった
 ▼過去から現在を学び、未来を見つめること、どんな問題に対しても、興味を抱き、自分の考えを
しっかり持つよう努めること。昭和の名残色濃い一軒のバーが教えてくれた教訓は、今も自分に言い
聞かせている
 ▼ジャーナリストの立花隆氏が、大学中退後に開いた店がガルガンチュアだと知ったのは、しばら
くしてからである。(群馬・HK)
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