コラム

2008/02/18

次世代に引き継ぐ(東京・YO)


▼少し古い話なるが、昨年の第52回有馬記念、9番人気のマツリダゴッホ号が栄冠に輝き、牝馬として64年ぶりに日本ダービーを制したウォッカ号は11着に沈んだ。過去5年間の優勝馬を振り返ると、2006年ディープインパクト号、2005年ハーツクライ号、2004年ゼンノロブロイ号、2003年と2002年がシンボリクリスエス号だった

▼サラブレッドには、種牡馬や繁殖牝馬となり、次世代に優れた血統を残すという役割もある。一般的に現役生活の中で優秀な成績だった馬などが引退した場合、繁殖入りする。すべてのサラブレットの血統をたどれば、3大始祖と呼ばれるバイアリーターク、ゴドルフィンアラビアン、ダーレーアラビアンの3頭にいきつくといわれている。有馬記念を連覇したシンボリクリスエス号も引退後は種牡馬となり、次世代へと血脈をつないだ

▼建設業界に当てはめるとどうだろうか。2007年問題と呼ばれ、高齢化が進み団塊の世代が退職期を迎える中、技術・技能の伝承が大きな課題とされている

▼昨年7月公表の「建設産業政策2007」には、ものづくり産業を支える「人」づくりという方向性が盛り込まれた。主な施策は、基本的な仕組みの検討、熟練技能者やOBを先導役として活用した若手技能者の技術取得などに資する先駆的・先導的な取り組みへの支援など

▼そういえば、昨年の有馬記念優勝馬の父はサンデーサイレンス、種牡馬として大成功をおさめた。建設業界に限らず貴重な技術・技能の伝承、一個人では次世代に何を残せるのだろうか。今、限りある事を強く認識する必要があるだろう。(東京・YO)

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